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——さて、お二人の熱い思いとこだわりが実り「webアーキオロジー」は成果を挙げたわけですが、今後はどのような展開を計画されているのでしょう。
杵築沢さらなる温故知新ですね。
——温故知新?
杵築沢古いものを新しいものに変えていくということです。
——いや、あの、言葉の意味はわかりますが、えーと……つまりその意味するところは……。
杵築沢東京駅。
——は?
杵築沢横浜赤レンガ倉庫。
——え?
杵築沢三菱ビル一号館。
——えーと……あの、突然なにを仰っておられるのか……。
杵築沢わかりませんかねぇ(笑)
——すみません、ぜんぜん(笑)
煙岡ははは(笑) いやいや、どうも申し訳ありません。もうお気付きかもしれませんが、言葉数が少ないのが杵築沢の悪い癖でして。つまりですね、我々が目指しているのは東京駅や赤レンガ倉庫のようなものなんですよ。
——はあ。
煙岡いま挙げた東京駅や赤レンガ倉庫などは、古くからある建物を、出来る限りそのまま残そうとしていますよね。
——そうですね。外観などはレトロな雰囲気を敢えて残しています。
煙岡古くなったから、時代にそぐわなくなったから、といってすべてを作り替えてしまうのではなくて、古いものが持っている風格や威厳といったものを、価値と認めて活かしていく。そうしてそこへ、最新の設備や機能を融合させて新たな価値を創造する……そんなことをインターネットの世界、webサイトの世界に持ち込みたいと考えているんです。
——なるほど。だんだん見えてきました。
杵築沢インターネットはこれまで、切り捨てる一方だったでしょう。
——切り捨てる一方……。
煙岡常に新しいことばかりを追い求めて、古いことを守ってきませんでしたよね。デザインにせよ機能にせよサービスにせよ、昨日まで最先端だったものが明日には流行遅れになってしまう。そうして流行遅れになったが最後、二度とその要素が人々から省みられることはありません。過去の遺物として忘れ去られていくだけです。
——そうですね。三年一昔といわれるほど栄枯盛衰の激しいインターネットの世界では尚更、その色合いが濃くなりますね。では、そのあたりに「webアーキオロジー」の次の展開を見出していらっしゃると?
杵築沢ええ。ルネッサンスです。
——ルネッサンス、ですか。
煙岡つまりは"再生"であり"復興"ですね。インターネットの世界、ホームページの世界にルネッサンスの息吹を与えたいんです。忘れられた色々な技術を再生して、最先端のものと融合させるんです。そうしてそこから、新たな価値を創造しよう、と。
——はあ……。
杵築沢どうもわかんなんみたいだな。具体的に見てもらうか。
煙岡そうだね……(と、煙岡氏、傍らにあったAndroidタブレットを操作し)
煙岡こちらをご覧ください(と、タブレットの画面を指し示す)。
——これは……?
煙岡まだこれは企画段階なので、まだ写真を含め詳細の掲載はご遠慮を願いたいのですが……近く発売を予定しているホームページ作成アプリのテストバージョンです。
——よろしいんですか? 見せていただいちゃって。
煙岡IT・人さんの機密保持への意識を信用していますから(笑) くれぐれも、まだ画面写真などは掲載しないでくださいよ。
——承知しました。このアプリにはどのような特徴があるのでしょう。
煙岡画面に表示されている要素から、タップして選んでいくだけで、こうして……ほらっ。
——おおっ! あの頃のホームページがあっという間に出来上がった!!
杵築沢面白いでしょ?
——色の薄いタータンチェックの背景画像、意味のない日付と時刻の表示、時間帯によって変化するトップページの挨拶文はよりによってティッカーで表示、キリ番通知機能が付いたアクセスカウンター、見難くなるだけのカーソルがキラキラした星に変化するギミック、虹色でしかもGIFアニメの区切りライン、「Sorry Japanese Only」の断り、大中小それぞれ用意されたリンク用のバナー、「リンクはご自由にどうぞ。でもご一報いただければ大変に喜びます」の一文、画面の分割は上下左右ともにフレーム、全般にCSSの影響がまったく感じられない不粋なデザイン……どこをとっても完璧にあの頃の個人ホームページですよ!
杵築沢すべて指先でちょいちょいと選ぶだけで作れちゃうんです。
煙岡しかもこれで作ったページは、CSSやHTML5の形式にエクスポートすることができるんです。
——ま、まま、まじスか!
杵築沢それだけじゃないんですよ。
——まだなにかあるんですか!?
煙岡これをこうするだけで……ほら。
——うわあああああっ!!! な、なんだこれは!!!! 最新のリッチコンテンツなサイトに、昔のホームページの要素が混入しているっ!!!
杵築沢ははは(笑) 予想以上に食いついてるなあ。
——なんで!? なんで、こんなに違和感がないんですかっ!? 最新のハイセンスなサイトに、極めてださいキラキラしたカーソルが表示されているのに、なんかカッコいいっ!!! <h1>タグの指定しかしていないと思しき極めてださいタイトル表示なのに、なんかカッコいい!!! ああああああっ!!! 各種SNSへの投稿ボタンに混ざって「ReadMe! Japan」へのリンクがまったく違和感なく設定されているもうReadMe!なんて疾うに無くなっているのにっっっ!!! うおおおおおおっ!!!! いまだかつて虹色の区切り線がこんなにハイセンスに見えたことは無いですよ!!! うひ、うひ、うひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃっっ!!!!! …………。
杵築沢……泡吹いてひっくり返っちゃったよ。
煙岡もしもし。大丈夫ですか。しっかりしてください。もしもし。もしもし。
——……あ、し、失礼しました。つい興奮のあまり気を失いました。
杵築沢どうですか、売れますかね、これ。
——売れますよ!! 価格はお幾らにするご予定なんでしょう?
煙岡とりあえず、機能限定の無料版と、税別150円の有料版と用意しようと思ってるんですけどね。
——150円!? 800円でも安いくらいですよ!!
杵築沢それは良い意見を伺った(笑)
煙岡価格決定の際には参考にします(笑)
——発売はいつごろを見込んでいるのですか?
煙岡年内を目処にしてはいるんですけど、なかなか思うようにいかなくて……。
——このアプリが実際に市場に出たら、本当にインターネット、ホームページのルネッサンスが巻き起こるでしょうね! 期待感を持って完成と発売を待ちたいと思います!
杵築沢ありがとうございます。
煙岡リリースの際にはまた紹介をおねがいしますね(笑)
——ぜひぜひ! 本日は興味深いお話をどうもありがとうございました。
【取材・構成:朝日奈☆麻里緒,IT・人】
ご注意
本文中に登場したAndroidアプリは開発途中の為、画面写真等の紹介は現段階では出来ません。
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