〜コント55号〜


使用される場所 コントの山場
使用頻度 あらゆるコント、場面で使用できるが一つのコントでは一度のみ
想定されるパターン

「違うでしょ!管制塔は飛行機に指示を出さなきゃダメでしょ!」
「ダメって…どうすれば」
「どうって自分で考えなさいよ!」
「…飛びます飛びます」

 
 

 まずはじめにこのフレーズの意味を学んでおきましょう。これは、飛行機が出てくるコントの中で使用されるものです。その役割は左図のように、自分が管制塔、両手を二台の飛行機に見立ててください。

 このフレーズに入るまでに気をつけるべき点は、コント55号のコントらしく、いかにしてこのフレーズを不条理なツッコミの果てに引出すかということです。ここで、ツッコミが弱いと、このフレーズの幼稚性のみが浮き上がるだけとなり、狂気の世界にまで昇華されることはありません。

「いったい飛行機はどうやって飛ぶのか」といった単純な疑問を、あらゆる方策を用いてとにかくしつこくボケ側に突っ込むようにしてください。

 ここまで理解が出来ましたら次に移りましょう。

 前述したように、いま、ボケ側は「管制塔」の状態にあります。「管制塔」の役割といえば飛行機に出発の指示を与えることです。それでは実際に指示を与えてみましょう。

 タイミングとしては、手、つまり飛行機を口、つまりは管制塔のそばに持ってくると同時に出発の指示を与えることです。

 他に気をつけるべき点としては、出来るだけソフトに動くということです。先程の音声をお聴きいただければわかるように、本来、厳しいはずの管制塔からの指示を間抜けな声音で発するという落差による笑いもこのフレーズには含まれています。

 また、このフレーズを発したときのボケ側の状態が、ツッコミ側に追い込まれて正常な判断が出来なくなっているというものであることも忘れないでください。したがって、自信満々に発せず、フレーズの馬鹿馬鹿しさに対する不安と、ツッコミに対する訝しさを含んだ依存感を醸し出すようにしてください。

 きっちりとしたネタの展開や、執拗且つ的確なツッコミなど、フレーズそのもの以外の部分における完成度が必要とされるフレーズであり、見た目の安逸さからは想像できないほど使用するにあたって制約を受けるフレーズです。しかしながらそれだけにこれを自在に操れるようになれば、コントマンとしてはかなりの腕前であると言って差し支えないでしょう。皆さんも、ぜひ、習得を目指して頑張ってください。