無論、この少年というのはタイヨウくんのことである。
    こうしてリアルタイムで情報がやり取りさされることによって、迅速且つ的確な警備体勢を取ることができるのである。
    この場合も、麦江田からのこの報告によって司令部では防犯カメラを操作し、タイヨウくんの姿をしっかりと捉えている。
    そうして撮影されタイヨウくんの姿を警備員全員のオリジナルタブレット端末に送信している。
    すなわち、この報告から十分と経たないうちにタイヨウくんの姿は迷子予備軍、万引き予備軍として、このモールの警備員の間に共有されているのである。